「後になって、ダビデはそのことを聞いて言った。「ネルの子アブネルの血については、私も私の王国も、主の前にとこしえまで潔白である。」 サムエル記 第二 3章28節
サウル王が死んだ後、ダビデを王として立てる人々がいる反面、サウル王の息子を次の王にしたいと願う人たちも、まだまだ残っている状況がありました。
サウル王側に就いていたアブネルでしたが、サウルの子のイシュ・ボシェテに信頼されていないと分かると、ダビデが王として確かな信頼を得ることができるように協力することを申し出ます。
人の思い、欲望が色々な形で出ている状況です。
アブネルとダビデが友好に会談をしたことを知ったダビデの将軍、ヨアブは、策略をしてアブネルを密かに殺します。
そのことを聖書は「ヨアブは彼とひそかに話そうと、彼を門の内側に連れ込み、そこで彼の下腹を刺した。こうして、アブネルは、彼がヨアブの弟アサエルの血を流したことのゆえに死んだ。」と、記しました。27節。
ひそかにとは、悪の心を隠しておこなったことを示します。
また弟アサエルのゆえにとは、私情、私怨で殺したことを暴いています。
イスラエルの国ため、王のためではなく、ヨアブの復讐です。
それに対して、ダビデは「主の前」にいつも立ちます。
アブネルの死も痛みますし、歌も作って慰めることをします。
私たちは、行動をするときに「主の前」におこなったか?それとも「ひそかに」おこなったのかを、自分自身で吟味し、祈って行動を決めていきたい。
もちろん、恥じることなく堂々と主の前に行動する者でいたいのです。
そして、復讐の心より、敵の死さえも悼むことができる心を持っていたい。
シャローム