「祭司は彼に、聖別されたパンを与えた。そこには、温かいパンと置き換えるために、その日主の前から取り下げられた、臨在のパンしかなかったからである。」 サムエル記 第一 21章6節

サウル王に追われて逃亡生活が始まったダビデでした。
逃亡生活の中で、ノブの祭司アヒメレクのところへ寄ります。
サウル王に追われていることを知っていたのか、それとも突然の訪問に非常に驚いたのか、アヒメレクは、震えながらダビデを迎えます。

ダビデはサウル王については真実を伝えないで、援助を求めたのです。
剣とパンを求めました。
剣は、かつてダビデが倒したゴリヤテの剣だけがあったので、それを譲り受けます。
神殿に置かれていた特別な戦勝品ですから、これを与えられるのは特別です。
祭司のアヒメレクが、ダビデを深く信頼していることが分かります。

パンに関してはもっと特別です。
アヒメレクにはこの時、普通に食事を取るときのパンは手持ちがなかったのです。
それで神殿から取り下げられた聖別されたパンをダビデに与えます。
本来ならば、新しいパンと取り換えられたパンは、祭司だけが食べることが許されているのです。他の人は食べることができません。レビ記、24章9節に、そのように定められています。
緊急時とはいえ、聖別されたパンを与えることからアヒメレクが、ダビデを心から信頼していることが分かります。
同時に、そのような特別な判断をするところには、主なる神様がこの出来事の背後に働かれていることが分かります。
ダビデは主に愛され、アヒメレクにも愛されています。

主を信じ、主のことばに忠実に従う人には、大変な時にこそ、力強い助けが与えられるのです。
そして、その人は使命を果たすことができます。

サウル王に狙われて、命の危険があっても、ヨナタン、アヒメレクと助けが備えられています。
そしてそれはすべて主の助けです。
主を信じる人は倒れ果てて滅びることなどありません。試練には必ず逃げ道があるのです。それは恵みの道です。

シャローム