「しかし私は聞きません。聞こえない人のように。口を開きません。話せない人のように。」 詩篇 38篇13節

詩人の周りは今、敵ばかりです。詩人を苦しめて、詩人にひどい言葉を投げかける人ばかりなのです。
誰一人として詩人の味方をしてくれる人はいないように思える状況なのです。
そんな中で、詩人を苦しめる言葉が語られています。

しかし詩人は告白するのです。
そのような非難する言葉や、悪口、嘲りの言葉をまるで聞こえていないようにしている詩人です。
聞こえないふりとかではありません。
そのような悪い言葉に惑わされたりして、右往左往しないと告白しているのです。
口を開きませんとは、話すことができないように、全く反論したり弁明などしないという告白です。
完全に黙します。

詩人は、詩人に向けられる悪い言葉など聞きません。
詩人を愛して守り、敵から救い出してくださる主の声だけを聞こうとして耳と心を向けるのです。
ですから悪い言葉など聞きません。聞く必要がありません。
惑わされることもありません。

口も開きません。
全て主にお委ねしていますから、必要ならば主が語ってくださるのです。
詩人が弁明する必要はないのです。

詩人は敵や苦しめる人の前で、聞かない、語らないのではありません。
主の前に静まっているのです。
それができる人は幸いです。

聞くべきことばは、みおしえの中にあり、口にすべきことばは賛美の中にあるからです。

シャローム