「ナオミはその子を取り、胸に抱いて、養い育てた。」ルツ記 4章16節 (2017新改訳)
夫と2人の息子とは遠くモアブの地で死に別れて、故郷のベツレヘムに戻り、1章21節では「素手で帰されました」と、嘆きの告白をしたナオミでした。
しかしその時、ナオミについてやって来た亡くなった息子の嫁であったルツは、ナオミを助けて支えました。
そして落ち穂拾いの畑で出会ったボアズと結婚をして息子オベデを産んだのです。
素手で帰されたと、告白したナオミが夫の家の名を継ぐ息子をその胸に抱いています。
ボアズは、2章12節でルツが主の御翼の下に身を避けようとしてきたと、ルツの信仰を評価しました。
その通りに、ルツとナオミは、故郷で幸いを得ました。
御翼の下を避け所としたルツによって、ナオミは素手でどころか、この後ダビデ王となる人の祖父になっていくオベデを胸に抱いているのです。
主が与えてくださる恵み、宝は、私たちには最初は見えないことがあるのです。
ナオミは、ルツとの関係を人間的な関係でだけ見ていたのでしょう。
しかしルツにとって義母ナオミとの出会いは宝であり。
ナオミにとってルツは、モアブの地で得た宝でした。
ルツは、ナオミを通して知った主を信じて従うことを選ぶことで、ボアズに選ばれました。
ナオミは、帰郷して数年経ち、新しく生れた子どもを自分の胸に抱くことで、素手ではなくその手に宝を握って帰ってきていたことを知ったのです。
私たちが、毎日、主を信じて小さなことに従い歩むことで、主が与えてくださっている宝を味わうのです。
それは直ぐに形になって見えるとは限りません。
しかし、主を信じた者を、わたしの宝と呼んで、愛してくださる主を知っていることは、私にとって何にも勝る宝そのものです。
私の手には何もない、などと簡単に口にしないで、主が与えてくださる宝がどのようなものかを期待して、この手を働かせたい。
畑で一粒の落ち穂を拾うことから主に従って、手を動かせたルツに習っていきたい。
シャローム