「そのオネシモをあなたのもとに送り返します。彼は私の心そのものです。」ピレモンへの手紙 1章12節 (2017新改訳)

コロサイの教会のピレモンに宛てた手紙です。パウロがローマの獄中で書きました。
短い手紙です。パウロからピレモンに送った私信と言うべき手紙ですが、イエス様から貴方に送られた手紙だと受け取ることができる内容です。
また、オネシモは私なのだと、思わずにはいられません。

ピレモンの奴隷であったオネシモは、主人ピレモンのお金なり、貴重な物を盗んで逃げた奴隷だったのです。
そのオネシモは、獄中でパウロと出会い回心して、主イエスの本当に忠実な信仰者、しもべと生まれ変わったのです。
パウロはオネシモを自分の近くに置いて、一緒に活動をしたいと考えたのですが、逃亡奴隷の罪を生産することが大切であると手紙を書きました。

前の節で、パウロはオネシモが役に立つ者となっていると、書いています。
かつての盗みを働くような悪い奴隷ではなく、役に立つ者だと教えます。
しかしこれは仕事で役立つ者と言う意味ではありません。
主イエスのしもべとして、主に従うことができている者だと言うことです。

ですからピレモンに、今度は奴隷ではなく友人として迎えることができるのだとも、勧めます。
でも、ただ友人関係を築ける、持って欲しいとの願いではないのです。
大切なことは、オネシモもピレモンも、そしてパウロも、主にあって共に歩み、主のお役に立てる者として、生まれ変わっていると言うことです。
それが「彼は私の心そのものです。」と言うことなのです。

パウロ、ピレモン、オネシモ、そして私は、かつては神に逆らう役に立たない者、そして滅び行く者でした。
それが今、イエス様の愛を知り、役に立つ者と、イエス様に言っていただける者へと変えられたのです。
そして私たちは皆、同じ心で主に仕えるしもべです。
力で押さえつけられて、鎖に繋がれる人の奴隷ではなく、キリスト・イエスの愛で繋がったしもべなのです。

ですからパウロに役に立つと言ってもらったオネシモは私であり。
同じ心で、受け止めて欲しいと勧められたピレモンは私なのです。

神の家族の信仰者を分け隔てることなく、私の心そのものですと、互いに語り合い、祈り合う信仰の一日を過ごしたいのです。

短いけれど、愛に溢れ、犠牲を惜しまないパウロの心が溢れている手紙です。
この愛と犠牲の心が、キリスト・イエスから貴方に届いています。
シャローム