「そして言った。「イエス様。あなたが御国に入られるときには、私を思い出してください。」」 ルカの福音書 ２３章４２節
十字架につけられたイエスさまの両側には犯罪人が同じように十字架につけられていました。
二人ともイエスさまを嘲っていましたが、一人は、十字架上のイエスさまの姿から、その嘲る言葉を止めます。
しかし、もう一人は、つまでもイエスさまを嘲り「キリストなら、自分たちも救ってみろ」と、叫ぶのです。
嘲る言葉を止めた方の犯罪人は、もう一人をたしなめるのです。
自分たちは罪を犯し、その報いとして罰を受け、処刑されるのだと、告白します。
続けて、イエスさまは何も悪いことをしていないのだと、告白するのです。
自分の罪を認めて悔い改めたこの犯罪人は、さらに続けて、今度はイエスさまに話しかけるのです。
「あなたが御国に入られるときには」と、この言葉は、彼の精一杯の信仰の告白です。
イエスさまが神であることを、十分に理解していた訳ではないでしょう。
素晴らしい信仰だと言うことでもないでしょう。
しかし、この言葉を口にし告白できたことはよかったのです。
そして彼は、決定的に大切なことを口にします。
「私を思い出してください。
神に見捨てられてしまうことほど恐ろしく苦しいことはないのです。
犯罪を犯した結果として処刑されても、神さまが、そんな罪人をあわれんで、御国で思い出してくださったならば、それは慰めになる。
それだけでも受け取りたい。
そんな思いを最後の願いとして告白できたことはよかったのです。
最後の最後の言葉が、恨み、憎しみの言葉、嘲り、悪口の言葉ではなく、神さまへの、ただ一つの願いであったことは幸いです。
イエスさまはそんな人を見捨てない。
イエスさまに自分の名前が覚えられていること、目に留めていただけていることがどれほど大きな恵みなのかをもう一度心に刻みたい。
シャローム
