「すると、イエスは彼らに言われた。「では、カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい。」」 ルカの福音書 20章25節

悪巧みをしてイエスを陥れ、イエスを総督に引き渡して罪に定めようとした人たちがイエスを試します。
カエサル、即ちローマ帝国に対して、神に愛されているユダヤ人が税金を納めることは、律法にかなっているのかを質問したのです。
律法にかなっていると答えれば、ローマにすり寄り律法を無視する者と批判し、律法にはかなっていないと反対すれば、カエサルに反逆する者として訴えるつもりなのです。

しかしイエスさまは悪巧みを見抜いておられます。
ローマの銀貨を手にして、そこにカエサルの肖像が刻まれていることを示して、このように答えられたのです。
カエサルが、カエサルの権威と力によって発行して維持している銀貨ならば、その税金はカエサルに返すのは正しいのです。
しかし、その前にこの世界、天と地のすべてのものは神の権威と力によって無から創造されて有となり、今も支えられています。
それならば、その中で受け取った恵みの中から、神にお返しをするのは正しいことです。
カエサルに税金を返すことと、神に献げることは矛盾しないのです。

もう一つは、銀貨にはカエサルの肖像、銘が刻まれています。
しかし、カエサルも含めて私たちの霊には、創造主である神のかたち、銘が刻まれているのです。
私は、カエサルのものではなく、神のものです。
カエサルではなく、神に愛されている者です。
ですから、私はこの身を神に献げます。
シャローム