「彼は、以前はあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにとっても私にとっても役に立つ者となっています。」ピレモンへの手紙 11節

1章だけの本当に短い手紙で、パウロはピレモンにどうしても聞いて欲しい願いがあって手紙を書いています。
パウロが牢獄で出会うという最悪の状況下で出会ったオネシモのことを頼みたいのです。
オネシモは、パウロから福音を聞いて信じました。それが「獄中で生んだわが子オネシモ」です。10節。
パウロはオネシモをテモテたちのように弟子として、同労者として用いたいのですが、それには解決したいことがありました。
それはオネシモがピレモンの元から逃げ出した奴隷なので、主人であるピレモンの解放、許しを得たいのです。

以前のオネシモが役に立たないとは、奴隷なのに逃げ出してしまうような価値の低い存在ということです。逃げ出して主人に損害を与えてしまったわけです。
しかし、今、オネシモはイエス・キリストを救い主と信じて、パウロの下で福音に仕えようとする人に変わりました。
そのことを主人であるピレモンに理解して協力して欲しいのです。
パウロはまた、オネシモがパウロとピレモンにとって、愛する兄弟になったと明言します。16節。

パウロは愛する兄弟のためには、オネシモが主人であるピレモンに与えた損害を肩代わりすると申し出るほどです。18節。
この手紙はパウロがお願いをしている手紙ですが、イエス様の救いのみ業をパウロが倣っていると言えます。
私は、イエス様が、ご自分の命を差し出して買い取っていただいた身です。
そうしてキリスト者となった人は、イエス様に倣い、パウロに続いて愛する兄弟を獲得するために、愛を現し、犠牲を払っていくことを教えてくれる手紙です。
私は、オネシモであることを自覚し、次いで、ピレモンになって愛を実践していきましょう。

シャローム