「あなたは、彼の心の望みをかなえ 唇の願いを退けられません。」詩篇 21篇2節

感謝と喜びの詩篇と呼べると考えます。
王は、主を信じるものとして、主に任された使命を全力で果たそうとします。
王の場合は、神を信じて従い、国を治めて民が豊かになり、平安に生活できるようになるという使命です。

王は、その使命を自覚しています。
ですから、ここで唇の願いと表現するのは、王の決意、主の使命に対する応答です。
信仰者として、使命を果たそうとする覚悟とも言えます。

そして王は、心から主に信頼して祈り求めます。
自分の力だけで、国を治め、良い王になろうとはしません。
最初から最後まで、主に信頼をするのです。

「心」と「唇」
「望み」と「願い」
二つを並行して並べて、王の主に対する信頼と主に従順に仕える姿を明らかにします。
並行して声を上げることで、詩としての美しさもあります。

そしてこの2節は、7節と繋がっています。
7節「王は 主に信頼しているので いと高き方の恵にあって揺るぎません。」

王は、自分が二心のない心と主に期待している真の心で祈り、祈りの声を上げていることで、主が必ず答えてくださると信じています。
確信しています。
覚悟を持って祈る詩人、王は、確信して祈る人です。
主から助けがあり、恵みが注がれ、それは自分を満たし、与えられた使命を果たすのに十分であることを知っています。
ですから揺るぎませんと、祈ります。
それは2節の「退けられません」と、繋がり、並行して2度声を上げることで強調しているのです。

短い詩編、短い2節、7節に、この信仰者の信仰が明らかにされ、主の力と恵みが明らかにされています。
とても美しい詩篇です。
朝に、祈り、賛美するのにふさわしい詩です。
シャローム