「人とは何ものなのでしょう。あなたが心を留められるとは。人の子とはいったい何ものなのでしょう。あなたが顧みてくださるとは。」詩篇 8篇4節

「ギテトの調べにのせて」と、表題にあります。ぶどう酒ように絞る作業の時に歌ったと思われる歌とのことです。
自然界のぶどうの実の収穫を喜びながら、人々が作業して、自然と人について神に賛美の声を上げていたのです。
ここ3〜4節は、同じ内容を二つ並べて繰り返すことで強く訴える表現を使っています。そしてとてもきれいな表現、言葉が使われます。

まず、自然と人を比べます。
大きな自然と小さな人を並べて比べます。

3節で、「天_と「星や月」と、人の手には届かないはるかに高く大きなものを二つ並べて、自然の大きさ素晴らしさを示します。
同時に、それらは全て主がお造りになり、今も支えていてくださることを示します。
それはあまりにも偉大で恐ろしいほどのことであると、歌うのです。

続けて4節では「人」について歌います。
詩人自身のことでもあるのです。
その人は何ものであるかと、2回繰り返すのです。
「人」「人の子」とことばを変えながら並べて強調します。

その人が小さな存在であると歌います。
ここに前の節で歌った自然の大きさやっ素晴らしさが比較されています。
自然の大きさ、人の小ささが、特に強く示されます。

そして、詩人が歌い、賛美したいことはこれです。
主がその小さな人を覚えていてくださり、愛してくださること。
愛して支えていてくださることです。

「心に留め」「顧みて」と、言葉を変えながら重ねて歌います。
詩人は、主に心を留めていただき、自分に目が注がれていることを、驚き恐れながら、感謝しています。

天、星や月と言う自然界を造り、支える方が、小さな存在のたった一人の詩人にさえ目を留めてくださる、愛して支えてくださる。
詩人は、主の愛の大きさにただ驚き感謝し、賛美の声を上げるのです。

その喜びを訴えて歌うため。
感謝と賛美の心を、強く訴えるために、並行した言葉と表現を、3,4節の中で2度づつ繰り返すことで、更に強く歌うのです。

そしてそれは歌としても美しいのです。
それが8篇。
シャローム