「するとすぐに、鶏がもう一度鳴いた。ペテロは。「鶏が二度鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言います」と、イエスが自分に話されたことを思い出した。そして彼は泣き崩れた。」　マルコの福音書　１４章７２節

１４章の続きです。

直前にはペテロは「嘘ならのろわれてもよいと誓い始めた」のです。
そうまで言って、イエスを知らない、イエスの仲間ではないと否定したのです。
ペテロは、イエス様に、絶対にあなたを裏切りませんと告白したのです。
しかし、いとも簡単に否定し、裏切りました。
ペテロはイエスさまに、知らないと言うのだと、預言されていて、それを聞いていたのに、その通りに否定してしまったのです。

そしてペテロは泣き崩れました。
「急に泣き出した」と、訳する聖書もあります。
猪突猛進、他の弟子たちより先に、誰よりも熱くイエスさまを愛して、従ってきたつもりのペテロです。
初めて自分の弱さ、脆さを知った瞬間です。
急に泣き出したのは、後悔の心でしょうか、悲しみ苦しみの苦い苦い涙です。
でも、イエスさまが、ペテロがイエスさまから離れることがないように、信仰がなくならないように前もって祈ってくださいました。

イエスさまへの信仰も、イエスさまを愛する心も、イエスさまが私に与えてくださったものです。
だから無くなりません。
私は失敗するけれど、なくなりません。
信仰の失敗の涙はイエスさまの前で泣くならば、イエスさまが拭ってくださるのです。
そして前よりも深くイエスさまを愛し、信じる信仰へと導いてくれます。

取り繕う間もなく、急に泣き出すしかないほどの失敗は、後になると後輩を励ますことができる人へと造り変えられるのです。
ペテロのようにです。
シャローム