「それからモルデカイは王の門に戻ったが、ハマンは嘆き悲しんで頭をおおい、急いで家に帰った。」エステル記 6章12節 (2017新改訳)

王妃エステルが、王とハマンを招いて宴会を開き、特別な望みを口にしないまま、翌日も宴会に来て欲しいと語った、その夜のこと。
王は眠れなかったので、記録の書、年代記を開きます。するとそこには、モルデカイが自分の命を救ったことは記録されていたのです。
しかもモルデカイは、王の窮地を救ったにも関わらず、何の報償も与えられていませんでした。
王は即座に行動します。
ちょうどそこにやって来たのが、モルデカイを貶めて殺そうとしていたハマンです。

王に「王が栄誉を与えたいと思う者には、どうしたらよかろう」と、問われたハマンは、自分が栄誉を与えられると、勝手に思い込み、最高の報償の与え方を示すのです。
すると、王はそれをモルデカイに与え、その栄誉を示す時の、従者のような働きをハマンに命じるのです。
ハマンの地位が崩れ、栄誉が無くなり、人々の称賛の声がモルデカイに移って行く瞬間です。

そのような最高の栄誉を受けながら、モルデカイは、その儀式が終わると、当然のように自分の持ち場である門に戻り、使命を果たすのです。
ハマンは、王に進言する機会を失い、家に帰って嘆き悲しむばかりです。

何が間違ったのでしょうか。
ハマンが自分が一番偉いのだと思い込み、そのように振る舞ってきたことが間違っていました。
ハマンは、実は王にも誠実に仕えてはこなかったのです。

自分を高くする者は、主によって低くされるのです。
主の前に謙遜に仕えて、正しいことを誠実に忠実に行う者は、主が高くしてくださるのです。
遣わされた場所で、その使命を誠実に果たす人モルデカイには、時が来れば主の祝福と恵みが溢れるほどに与えられるのです。
罪人の道に立たず、主の教えを喜びとする人、モルデカイ。
その人は、枯れず、そのなすことはすべて栄えると、詩篇の1篇は真実なのです。
シャローム