「あなたがたはこのように兄弟たちに対して罪を犯し、彼らの弱い良心を傷つけるとき、キリストに対して罪を犯しているのです。」コリント人への手紙 第1 8章12節
パウロの厳しい指摘です。
ここで言う罪とは、10節に記されるとおり、偶像の宮で捧げられた肉を、キリスト者が食べることで、まだ信仰の初心者や弱い人が、同じように肉を食べて、それによって、罪を犯してしまったのではないかと、心を痛めてしまうことです。
あるいは、それによって信仰を捨てて、滅びの道へ迷い込んでしまう危険を指します。
自分の行動が、弱い人を迷わせてしまうならば、それはその人に対して罪を犯すことになるのだと、指摘するわけです。
そしてそれはキリストに罪を犯すことになるのだと、恐ろしい指摘です。
しかしそれは事実であり、パウロはそのことを強く意識しています。
ですから、パウロは続く13節で「私は今後、決して肉を食べません」と、告白をするのです。
それは弱い人、隣人を愛し、神を愛することで、パウロは神に知られていることを確信できるからです。
パウロにとって、神に知っていていただけること、神に愛されていることは、この世界の自由にもなにものにも勝る喜びと平安なのです。
肉を食べないことなど、それに比べたならば些細なことです。自分で自分に課す小さな制限です。
直接、隣人を傷つけなくても、信仰者である自分の行動が隣人の心を傷つけてしまうことがないように、なによりもイエス様を愛する日々を丁寧に生活を送ることで実践したい。
そして神を愛し、隣人を愛することを、自分の好きなことを自由にすること以上に大切にできるようになりたいものです。パウロのように。
シャローム