「そのとき、雲がわき起こって彼らをおおい、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。彼の言うことを聞け。」」 マルコの福音書 9章7節

9章に入ります。
高い山の上で、ペテロとヤコブ、ヨハネたちの目の前でイエスさまの姿が変わり、そこにモーセとエリヤが現れます。
三人の弟子にとっては特別な上にも特別な経験をしています。
驚き、どうしてよいのか分からない中で、ペテロは幕屋を造りますと、的外れな発言をしてしまいます。
仕方がありません。こんな経験は、いままで誰もしたことがないのです。

ユダヤ人である彼らにとって、モーセとエリヤに会うことなど、叶えられるはずもないことなのです。
しかも二人同時にです。
象徴的な意味では、律法を示すモーセ、預言者と預言のことばを示すエリヤです。
これまでペテロたちが大切にしてきたことを目の前にしているのです。
喜びを超えて驚いたのです。

しかし、その記念に幕屋を着造ることなど神は求めていないのです。
神はイエスを愛する子だと明確に示されます。
そしてイエスさまのことばを聞くことを求めます。

これまで、律法と預言者が、ユダヤ人を導いてきました。
神に愛されている民として導かれてきました。
これからは、イエスさまのことばが彼らを導き、そして、罪の赦しと永遠のいのちの約束を与えてくれるのです。
律法を守ることではなく、預言の成就を待つのでもなく。
これからはイエスさまのことばを聞き、信じるのです。

モーセとエリヤに会えたことが恵みではなく、イエスさまが語ってくださることが恵みなのです。
聞いて、その恵みを受け取る時が来たのです。
現代を生きる私たちもイエスさまのことばを聞くのです。
それが恵みです。
シャローム