「彼らはカナンの地にいるヤコブのもとに帰って、その身に起こったことをすべて彼に告げた。」 創世記42章29節
飢饉が激しくなり、ヤコブの一族も困窮してエジプトへ穀物を買うために出かけます。
そこで穀物を売る責任者は弟ヨセフです。
しかし兄たちは気がつきません。売り飛ばした弟のことは忘れてしまったのか、死んでしまっていると思っていたのかも知れません。
ヨセフはすぐに分かります。そしてヨセフを弟であるとは知らないで伏し拝みます。
小麦の束、ひれ伏す兄たちの、かつてヨセフが見た夢が実現しました。
そのような中で、ヨセフは兄たちにわざとスパイの嫌疑を掛けて、父たちの様子を探ります。
意地悪をして苦しめ、復讐するのではありません。
ヨセフは、18節で「私も神を恐れる者だから」と、告げています。
その通りに、穀物は渡すのです。
しかし、シメオンを人質としてエジプトに残して帰ってきた兄たちは、父ヤコブに事の次第を話します。
ベニヤミンを連れて、もう一度エジプトへ行かなければならないのですから。
ここ29節で「すべて告げた」と、ありますが、彼らはヨセフのことはまだ、告白して、父の赦しを求めていません。
隠しています。告白できずにいるのです。
前の節で「神は私たちにいったい何をなさったのだろう」と、穀物の代金の銀が袋に戻されていることを見て、恐れて告白しています。
それでもなお、ヨセフのことは告白できないのです。ここに兄たちの罪と弱さがあります。
ヨセフは、神を正しく恐れて、穀物を渡した上で弟のベニヤミンを気に掛けています。
私たちは、神様を正しく恐れ、謙遜に主の前に歩み、隠すことなく告白する者となっていきたい。
神様は愛とあわれみの心で見守り導いてくださるのだから。
シャローム