「彼がわたしを愛しているから わたしは彼を助け出す。 彼がわたしの名を知っているから わたしは彼を高くあげる。」詩篇 91篇14節
 
 1節から神への信頼を明らかにした詩人です。続く2節では。神と自分との信頼のある関係を繰り返して明らかにします。
 詩人は、一貫して神の保護があり、それは確かのものであることを比喩的な表現を用いて繰り返して明らかにします。
 
 狩人の罠とは、敵対する人々、国と言う人から来る災いを示します。
 破滅をもたらす疫病とは、天災など、人の手には負えない災いを示します。3節。
 また、夜襲の恐怖とは、悪しき者の勢力からの脅威のことです。
 昼に飛び来る矢とは、荒野に代表される日差し、熱射のの恐怖のことです。5節。
 このような自然、敵対する者、悪を計る者の一切から、主が守ってくださることを告白するのです。
 
 しかし反対に主に信頼しない者は、千人、万人を頼りとしてもそれは空しく朽ち果てることを告白しています。7節。
 
 このように比喩的な表現を使いながら、詩人である信仰者と主との深い関係を確信して告白します。
 それなので詩人は何も恐れていないのです。
 
 そして詩人が主の守りと導き、祝福を確信しているのは、14節のことばです。
 「彼がわたしを愛しているから」「彼がわたしの名を知っているから」です。
 神が愛してくださり、詩人も神を愛します。
 神が詩人を見出してくださり、詩人も神を知っています。
 その信頼の中で、詩人は神の守りを確信しています。
 この関係、この信頼は揺るぎません。愛される関係なのです。
 
 神もまた、詩人に神の守りと祝福を、日々の中で体験させてくださると語りかけるのです。「彼に見させる」16節。
 神への信頼と神の祝福のことばをもって詩人は91篇を閉じるのです。
 シャローム