「ナボテはアハブに言った。「私の先祖のゆずりの地をあなたに譲るなど、主にかけてあり得ないことです。」」列王記 第1 21章3節 (2017新改訳)

北イスラエル王国の歴代の王の中でも、1,2を争うほどの悪王と呼ばれるアハブのおこなった悪の中でも、もっとも恥ずべき罪がここでおこなわれます。
それはアハブの宮殿のそばにあったナボデが所有するぶどう畑を奪うことでした。
ナボデを無実の罪、それも神を呪ったと、偽証によって罪に定めたのです。

しかしその背後には、神、主を全く畏れない妻のイゼベルがいました。
イゼベルを導けなかったことが、アハブの大失敗です。

この事件の発端は、隣人の畑を欲しがったアハブ王のむさぼりの罪です。
しかし、この事件にはもう一つ大切なことを学ばなければなりません。
ナボデは、王に毅然と答えて、畑は譲れないと拒みます。
「アハブに言った」と、聖書は「王」と言う称号さえ省くことで、ナボデの強い意志を示します。
何故、ナボデは強固に拒んだのか、それも王に向かってです。
先祖のゆずりの地とは(続く言葉の「譲る」と、分けて表現しています)何か?
先祖からの相続地のことです。
しかし、相続地を譲ることを惜しんだのではありません。王の提示した金額に不服があったのでもありません。

この地は、約束の地カナンです。
主が、恵みの内に、各部族に公平に相応しい場所と広さを与えてくださった土地なのです。
その土地を守ることは、葡萄を育てることは、主への信仰の証しであり、主に真心をもって仕えることなのです。
それを譲り渡すことは、主を捨てることになるのです。

ナボデは、王を恐れないで、主を畏れ、愛したのです。
それを偽証する者は、神を呪ったと、言いました。しかし、流石にナボデが、主を呪ったとは証言できなかったのかも知れません。
ナボデは、主の恵みを大切にした人です。
主の恵みを知っているので、人を恐れないのです。

私たちも、主の恵みを朝に夕にしっかりと味わっていきたい。それがまた、次の私の行動の力にもなります。
シャローム