「主はアブラムに言われた。「あなたは、あなたの土地、 あなたの親族、あなたの父の家を離れて、 わたしが示す地に行きなさい。」創世記 12章1節 (2017新改訳)

アブラムは、初め父テラと一緒にウルの地を出発してハランの地に移り住みました。
そのハランの地に住んでいた時に、アブラム(この時はまだ、アブラハムではなくアブラムの名前です)に、主が直接語りかけるのです。

主が示す地に行きなさい。
その後、その地とはカナンであることが知らされることになります。
しかしこの地では、主が示す地に行けとだけ語られるのです。
アブラムは、その声を聞いて直ちに行動します。

ここから、アブラムは目的地を知らなくても、主のことばに従って行動した素晴らしい信仰者であると、言われるのです。

その通りなのですが、今日は二つのことばが、心に留まったので、それを味わいます。
「あなた」「あなたの地」「あなたの親族」「あなたの父」
あなたが、四回使われます。
ヘブル語では三回繰り返すと最上級の表現だと言われますから、ここはあなたということを最高に強調していると言えます。

もう一つのことばは「わたし」即ち、主のことです。

あなたとわたし。

私たちは、普段、生活をする時に「自分」を中心にします。
しかし、神である主は、ここで「あなた」である私自身ではなく、主であるわたしを中心にして生きよと命じるのです。
自分がこだわるものを捨てて、主である方を中心にして、その方に従う生き方へ、変えるのです。

ここにある「離れよ」と言うことばも意味があると思います。
捨てるとか、否定すると言うのではなく、そこから離れて、主と結びつき、主のために生きることを、主は私に求めておられます。
自分の思いに固執せず、行くべき道を主は示される。
それは私の真の幸いと喜び、平安を得るため。
また、私と私の家族が祝福されて、いのちを得るためです。

あなたは、どうするのだと、主はここで四度も繰り返して私に問いかけてくれているのです。
シャローム