「あなたは私から愛する者や友を遠ざけられました。 私は暗闇を親しい友としています。」詩篇 88篇18節
この88篇は、最も深い悩みと悲しみに満ちている詩篇です。
キリストの苦難を示し、十字架の金曜日、聖金曜日に教会で読まれてきたとのことです。
「よみに触れ」3節。
「穴に下る者」4節。
「死人たちの間に」5節。
「深い穴」6節。
「墓の中で」11節。
「闇の中で」12節。
88篇は、上げれば切りがないほどに「死」に関することばが歌われます。
それほどに詩人の悩みと悲しみは深いのです。
最後に詩人は「暗闇を親しい友としています」と告白します。
二つの意味を読み取れます。
詩人が愛し、信頼する友は、既に皆死んでしまったのです。
詩人は孤独です。それも悩みです。
もう一つは、今、詩人の親しい友は死なのです。
それほどに詩人には悩みと悲しみは深く、彼を死に近づけるのです。
しかし詩人は悩み、死を意識するだけではありません。
祈りが聞かれることだけが詩人の希望です。
それを詩人は期待しています。
「朝明けに〜御前にあります」と、13節で、詩人は祈りが主に届き、答えられることを歌いました。
それでもなお苦しいので、つづく14節から最後まで、もう一度苦しい心を吐露するのです。
その詩人の悩みと悲しみ、祈りは主に届いていることを、この朝、私も確信して祈ります。
シャローム