「私は、イスラエルのうちで平和な、忠実な者の一人です。あなたは、イスラエルの母である町を滅ぼそうとしておられます。あなたはなぜ、主のゆずりの地を。呑み尽くそうとされるのですか。」サムエル記 第2 20章19節 (2017新改訳)

ここはヨアブを初めとする人たちの、権力抗争とでも言う戦いの記録です。
ダビデは、王宮に残していた側めたちを、再び養いますが、彼女たちのところには通うことはなく、ダビデの王権が復権したことを示します。
アブサロムの謀反は、こうして完全に終わろうとしています。
しかしシェバが人々を扇動してダビデに敵対しようとします。

ダビデはシェバを討ち取り、国を安定させようとします。
そのための戦いの中で、ヨアブは自分の将軍としての地位をもう一度確立しようと動きます。
ダビデの命令を受けながら、それを果たせなかったアマサを打ちます。
そしてアベルの町に逃げ込んだシェバを町ごと破壊してしまおうと考えるのです。

その時、知恵のある女性が立ち上がり、ヨアブに訴えるのです。
この町は、主が与えてくださった平安な町であることを語ります。
その町を破壊して、シェバを打つのは、主のみ心に沿うことではないとも語ります。
そして自分がシェバを打つとまで語るのです。

知恵と勇気と実行力のある女性の登場です。
そして大切なのは、この女性の口からのみ「主」と言うことが語られます。
大切なのは、ダビデとアブサロム、ダビデとシェバの戦いの結果ではないのです。
主の与えてくださる平和、主の与えてくださる恵みとは、なんであるのかを祈り求めて行動することです。
ヨアブたちには、自分の望むことをするばかりで、主を求めることがありませんでした。

主のゆずり、主の恵みを大切にすることを教えられる女性の告白です。
シャローム