「王はシムイに言った。「あなたは死ぬことはない。」王は彼にそう言った。」サムエル記 第2 19章23節 (2017新改訳)
アブサロムの謀反を治めたダビデは、再び王として立つために帰路につきます。
ヨルダン川を渡ることで、約束の地に入った時のように、ダビデが主に選ばれた者であることを示すのです。
その時、様々な人が色々な思いを持ってダビデを迎えに出て来ます。
シムイもその一人です。
この人は、16章7,8節で、争いを避けて逃亡するダビデを呪った人です。
シムイは、サウル家の人だったからです。
16章でも、アビシャイは、王を呪うシムイの首をはねて打たせて欲しいと願い出ます。
ここ19章でも、再び、王を呪ったシムイは死に値すると進言します。
しかしダビデは16章と同じことを語ります。シムイは自分を呪ったので、アビシャイと他の者には関係がないのだから手を下すなと、語ったのです。
そしてシムイを赦します。
この日は、戦いが終わり、ダビデがもう一度王として立つべき良い日なのです。
そのような日に、主の前に血が流されるべきではない、赦しこそおこなわれる日であると、ダビデは考えます。
もし、シムイのおこなったことが悪であるならば、それはこの後、必ず主が報いてくださるのです。
一人でも余分に血が流されて、同胞同士が殺し合うことは避けるのです。これが死んでしまったアブサロムとダビデの違いです。
主の前に最善をおこなうこと。
主に委ねること。
私怨や憎しみで行動しないこと。
ダビデは苦しい時も、このような幸いな時でも、主の前に変わらないのです。
シャローム