「彼らはアブサロムを取り降ろし、森の中の深い穴に投げ込み、その上に非常に大きな石塚を積み上げた。イスラエルはみな、それぞれ自分の天幕に逃げ帰っていた。」サムエル記 第2 18章17節 (2017新改訳)
戦いの中でアブサロムは、森の樫の木に引っ掛かり宙ずりとなると言う失敗をして、ダビデの臣下ヨアブによって打たれます。
彼らは、アブサロムの亡骸を、森の中の深い穴に投げ込み、墓としたのです。
ヨアブも他の誰も、その亡骸をダビデの元へ届け、王たちの墓に葬ろうとは考えないのです。
アブサロムが、敵対していたとはいえ、ヨアブたちによく思われていなかったことが分かります。
戦いの前に、ダビデはアブサロムを殺さないで、勝利することをヨアブたちに告げていたのですが、ヨアブたちは守りません。
ダビデを信頼しないのではなく、アブサロムを生かしておくことが、ダビデのためにならないと考えたのでしょう。
森の深い穴と、大きな石は、まるでアブサロムがイスラエルの国にもたらし、主の前におこなった罪の深さと大きさを現しているようです。
その墓は森の中に置かれ、人々の記憶に残ります。
残念なことに、一人ダビデだけがアブサロムの死を深く悲しんでいることが、ここ18章の最後の節に記されます。
勝利した者たちの唇からも、ダビデからも主への賛美や感謝のことばはありません。
この戦いが始めから終わりまで空しいものであったことが分かります。
お墓が豪華である必要はありませんが、アブサロムのような葬られかたは悲しいと感じます。
サウル王は、素晴らしい王ではなかったかもしれませんが、敵の手にかかり死んだ時、さらし者にされた亡骸を、勇気を持って取り卸に行った(第1 31章12節)に比べると、悲しいものです。
主の前にどのように歩み通して、天に帰って行くのか、主のみ心に沿って、ふさわしい時に召されて行きたいものです。
同時に、敗戦を知って、アブサロムに従っていた兵士たちは、皆逃げ帰ります。
誰も最後まで戦い抜こうとはしません。
心からアブサロムに従っていなかった証拠です。
王になるよりも、主の前に誠実な主のしもべとして生きたいと思いました。
シャローム