「自分の不法な行いをとがめられました。口のきけないろばが人間の声で話して、この預言者の正気を失ったふるまいをやめさせたのです。」ペテロの手紙 第二 2章16節
ここは、民数記22章28節で、イスラエルを呪おうとやって来たバラムに対して、彼が乗っていたろばが口を開いてバラムの不法の行いを指摘した出来事を引用しています。
主が愛して導いておられたイスラエルを不法な形で呪ろおうとしたバラムの行いは罪であるのですが、ここでは「正気を失ったふるまい」だと断じます。
罪を行うのは、ただ悪いことをしてしまったとではすまないのです。
それは正気を失った行為であり、他人に害をなし、自分を滅ぼしていく行いなのです。
でもそのことが分からないのです。正気を失って罪の奴隷になっているからです。
バラムは正しいことをするよりも報酬を愛しました。それが不法の報酬でも良かったのです。
しかし、そのような罪の行いを神は放置されません。
この時は、ろばが人間の声で話してろばの所有者であるバラムをとがめるという奇跡を行って罪を指摘した上で、止められました。
ろばさえも神のことばに従い正しいことをするのです。
ろばよりも優れた存在だと思っている人間の方が正しいことを行えない、神のことばを聞けない愚かな存在だと、民数記の事件は教えます。
その背後には義を愛して不法の行いを止められる神がおられます。
神はいつも最前の義を行われます。時にはろばさえも用いるのです。
不法を行う者となるか、神に用いられる小さな者となるのか問われます。
シャローム