「主はその母親を見て深くあわれみ、「泣かなくてもよい」と言われた。」ルカの福音書 7章13節 (2017新改訳)

聖書66巻から1つの書を選び、その書を紹介しながら「みことば」を味わっていきます。
66巻をゆっくり読み進めながら、聖書に記された神様の愛について味わっていきます。

今日開いたのは、ルカの福音書です。

四つの福音書の中でもそうですが、新約聖書の著者の中でも珍しく、ユダヤ人ではない人との手によって書かれました。
ルカは、医者であり、パウロの旅の同行者でした。そしてパウロがローマで殉教する直前までも一緒にいました。(Ⅱテモテ4:11)
伝承の一つでは、ルカはアンテオケ出身の画家であったそうです。
歩けなかった人が立ち上がる奇蹟の場面の記述(彼の足とくるぶしが強くなり)などは、医者らしい、画家らしい細かな記述と言えるかも知れません。

1章3節と「使徒の働き 1章1節」から、ルカがローマの高官であったテオフィロに向けて執筆を始めたことが分かります。
そこに記されるとおり、綿密に時間をかけて調べて書きました。
それはテオフィロに向けてと言うよりも、異邦人にイエス様の福音を伝える必要を覚えたルカの使命感から書かれたものと理解できます。
パウロが異邦人宣教に召されたように、ルカもまたパウロと同行し、異邦人宣教に、ペンを持って仕えるために召された人だと言えます。

1章46節からの箇所に記される(マリヤの賛歌)などは、初代教会で歌われた賛美歌だと理解できます。

大切な特徴の一つに上げることができるのは、ルカの視点を通して教えられる主イエスの視点、愛が貧しい人や女性に向けられていることです。

選びました節は、一人息子が死んで悲しむ女性に向けられるイエス様の深い愛を示したことばです。
この息子が、イエス様の奇蹟によって生き返ったことは、私たちの最大の恐れであった死を主の福音が打ち破ることのできることを示します。
奇蹟そのものの記述よりも、主の福音とはなんであるのかを教えてくれる内容です。
主が、罪に沈む私たちをあわれみ深く愛してくださったので、地上に人となって生れてくださったのであり、主を信じることで罪が赦されて永遠のいのちを得ることができるのは、すべて主の私たちに対する愛から始まっているのです。

主イエスは、私に言ってくださるのです。「泣かなくてもよい」この声を今朝も聞いて一日を始めたい。
シャローム