「そうです、兄弟よ。私は主にあって、あなたの厚意にあずかりたいのです。私をキリストにあって安心させてください。」 ピレモンへの手紙 20節

コロサイの教会に集う信仰者の一人であったピレモンに宛てた手紙です。
とても短く、その内容は、彼のところから盗みを働いてローマへと逃亡して来ていたピレモンの奴隷であったオネシモに関する極めて個人的なパウロの願いを記しています。
犯罪を犯した逃亡奴隷は、当時の法律によれば死罪とも言われる立場です。
しかし、ローマの獄中でパウロと出会い改心して、主イエスに仕えるようにパウロに仕えていたオネシモをパウロは助けたいのです。
それなので、ピレモンに手紙を書いたのです。

もはや奴隷ではなく、キリスト・イエスに在って兄弟としての関係を持って欲しいとの願いです。
ピレモンの先生であったパウロからの無理なお願いではなく、キリストにあっての行動を願っています。

ピレモンには、主イエスを信じるものとしての愛の行動を期待しています。
パウロ自身も、キリストの救いの喜びと同じように、この件でも安心したいと言う希望です。
ピレモンの自発的な厚意を待っています。
しかしそれはイエス様の愛の行動に倣うことです。

パウロはここでオネシモの犯罪によってピレモンが負った負債を代わりに支払うと、パウロから申し出ています。
この手紙は、イエス様が私たちを罪から救い出し、神の子としてくださる身代わりの業、贖いの業を示している内容です。
イエス様の愛の業、身代わりの業によって罪の奴隷から神の子とされた私たちは、その愛の業に倣うことが示される手紙です。

隣人を愛する兄弟として獲得することを教えられる手紙です。
シャローム