「ダビデにこのことが告げられたので、ダビデは彼らを迎えに人を遣わした。この人たちが非常に恥じていたからである。王は言った。「ひげが伸びるまでエリコにとどまり、それから帰って来なさい。」」サムエル記 第2 10章5節 (2017新改訳)
ダビデがアンモン人の王の死の知らせを聞き、使者を使わして悔やみを伝えます。
しかしアンモン人の首長たちは、新しい王に対して、ダビデは使者に町の内情を探らせて、侵略をを計画しているのだと、助言します。
王は、その助言を受けて、使者の髭を半分剃り落とし、衣も切り落とします。
これは当時のイスラエルの男性にとっては、とても恥ずかしいこと、恥をかかされたことになります。
ダビデは、帰国途中の使者に対して、迎えを遣わして、この5節の言葉をかけるのです。
彼らが使命を果たせなかったと、使者を責めるのではありません。
自分がアンモン人に馬鹿にされたと、そのことを最初に考えるのでもありません。
使者の心を最初に大切にしました。
彼らが、ひげを剃られて、非常に恥じていることに対して、慰めの言葉をかけて、休息の時間を与えるのです。
こうすれば、送り出した人たちに恥ずかしい姿を見られないで済みます。
アンモン人の王と首長たちは、ダビデの行為を疑い、悪意のある行ないを使者にしました。
最初から使者を敵としてみているのです。ですから悪意のある行動を取ることを躊躇しません。
それに対してダビデは、自分の任せた使命を果たせなかった使者を責めるのではなく、彼らの心を見ました。
単なる使者、部下としてではなく、主のある隣人として見ています。
そこから行動が出ます。
人の心は、行動に出るのでしょう。
行動一つで、その後の対応や人の心の有り様が変わってきます。
人に恥をかかせることをよしとする人もいれば、人の痛みを思いやることができる人もいます。
主はそれを見られます。
この後のアンモン人との戦いにダビデ軍は勝利します。主が勝利を与えてくださったのです。
ひとを思いやり、慰められる人になりたいものです。
シャローム