「彼らはアブネルをヘブロンに葬った。王はアブネルの墓で声をあげて泣き、民もみな泣いた。」サムエル記 第2 3章32節 (2017新改訳)

サウルの家とダビデの家との間での戦いは続きます。
ダビデの将軍であるヨアブは、ダビデとの和平交渉に来たサウル子イシュ・ボシェテの将軍アブネルを、ダビデに隠れて殺します。
ヨアブがアサエルを殺した理由は、前の戦いで彼の弟のアサエルを、ヨアブに殺された私怨からです。
ダビデは、それを見抜いています。
それなので、将軍としてアブネルを丁寧に葬ります。
ヘブロンの町は、ダビデが最初に王として立った町です。大切で王としての意味のある町に、敵の将軍を葬ったのです。
ダビデが、心からアブネルの死を悲しんだことが、ヘブロンに葬られたことで分かります。
小さな一つ一つの行ないが、主の喜ばれ、人々に受け入れられるのです。倣いたい。

そしてヨアブの行為は間違っていると表明して、アブネルのために哀歌まで歌い、泣いたのです。
主の前に正しいことができるように常に求め、敵を憎まないのです。サウルに追われた頃から同じです。
このダビデの行為は、ヨアブには気に入りませんが、民の心はダビデ王と同じになりました。

戦うべきときと、戦う相手を間違えないダビデです。
赦すことを知っているダビデでもあるのです。

それに対して、討たれたアブネルもヨアブも、自分の利益のために策を練って行動する人です。
主は、ダビデ、ヨアブ、アブネルそして正しいことが全くできないイシュ・ボシェテという人たちの心を見られます。
その心は、やがて人々にも伝わっていくのです。

ダビデの使う剣は、主の前に用いられ、ダビデの歌う哀歌は、民の心を慰めます。
シャローム