「神はラケルに心を留められた。神は彼女の願いを聞き入れて、その胎を開かれた。」創世記 30章22節 (2017新改訳)
30章の前半に繰り広げられる子どもを生んでいく、子孫を残すことに関しては、現代に生きる私たちには、時代と国、地域の違いから理解することは難しいです。
夫であり、家族の長、群れの長であるヤコブの子どもを生んでいくことは妻であるレアとラケルには大切なことであり、夫の愛情を確認する行為でもあります。
それゆえ、実の姉妹が競い合い、嫉妬します。更には、自分の女奴隷を夫に与えて、彼女を通して子どもを得ようとするのです。
嫉妬、空しい思い、目を覆いたくなるような争いがあります。
しかしそのような中でも、神は愛と恵みを持って、この家族を導かれます。
ラケルが不妊であることを悲しんでいることを神は知っておられますから、その願いを聞き入れて子どもを与えてくださるのです。
ラケルが立派な信仰を明らかにしたからではありません。
むしろ嫉妬や争いの中に、主が恵みを与えて、家族を平和へと導こうとされるのです。
神の恵みが私に届くときは、私が立派な信仰を証ししたからではなく、神が恵みを与えようと心を動かされたからです。
ですから私たちは、神の恵みの中で、神様の御心を探り、神様が望まれる信仰者の姿、生き方へと、少しでも近づきたいのです。
シャローム