「ヨセフの兄弟たちは、自分たちの父が死んだのを見たとき、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが犯したすべての悪に対して、仕返しをするかも知れない」と言った。」創世記 50章15節 (2017新改訳)

「愛には恐れがありません」と、新約聖書、ヨハネの手紙の第1は、4章18節で語ります。
ここでヨセフの兄たちは、カナンの地で彼らがヨセフを嫉み憎んで、殺そうとした上で奴隷に売り飛ばしたことを、思い起こしています。
現在は、兄たちもエジプトの地に寄留をして、ヨセフの保護の元にありますが、父ヤコブが死んでしまった今、ヨセフが兄たちに復讐をしても、誰も止めることはできません。
悲しむ人も少ないと、考えたのでしょう。
罪が悪意の行動を生み、ヨセフを売り飛ばしました。
その罪が、いつまでも兄たち自身を苦しめているのです。

ヨセフは赦しています。
それは再会した日に、そのように語っています。
ヨセフは主の愛の内に生きていますから、赦すことも恐れません。

しかし赦されたはずの兄たちは、まだ、完全に主の愛の中に休むことができていないのです。
ですから恐れます。
ヨセフが復讐するかも知れないとは、自分たちの考え方なのです。主はそのようにはされません。
ですからヨセフもしません。

しかし恐れる者を、繰り返して赦し、愛を語ることもまた、主の愛を知っている先に信じた者、罪が赦された者の務めです。

罪を犯せば、隣人を傷つけるだけでなく、自分をも苦しめて傷つけるのです。
しかし赦すことは、自分の心と行動も平安にします。
シャローム