「神は 岩を水の潤う沢に変えられた。 堅い岩を 水のあふれる泉に。」詩篇 114篇8節

わずか8節だけの114篇ですが、とても詩篇らしい表現に溢れていると感じます。
この8節の終わり方も特徴があります。
神が、水の無い乾ききった荒野にある岩を豊かな水の潤う沢へと変えられたと、歌って閉じるのです。
一瞬だけ水が流れるのではなく、荒野の堅い岩が沢に変わり、水を溢れ流れ出し続けるのです。
天と地を造られた創造主にしか成すことのできない業です。

ここ114篇は、イスラエルの民がエジプトの国から、神によって連れ出されたときのことを歌います。
荒野の旅には、常に主の創造の恵みがあり、いのちに溢れていました。
残念なことに出エジプト記を読むと、イスラエル人は、その恵みを感謝することよりも不平不満を多く口にしています。

しかし、神、主はそんなイスラエルの人々を深く愛します。
この最後の8節が、創造主、全能の神の力を示して終わるなら。
1節は、神に逆らうエジプトからイスラエル人が連れ出されたことを示して始まるのです。
そして2節、神が、呟いてばかりのイスラエル人と、誰よりも親しくなり、愛して、近くにいてくださることを示すのです。

荒野を沢に変えることができる全能の神が、イスラエル人を愛し、親しく近くにいてくださるとことを歌う、とても嬉しい詩篇です。
そして今、私たちにも主は、同じように接してくださり、声をかけてくださるのです。
シャローム