「ミクロテはシムアを生んだ。彼らも、その兄弟たちとともに、向かい合ってエルサレムに住んだ。」歴代誌 第1 8章32節 (2017新改訳)

ベニヤミン族の名前が記されます。
そして続く33節にはイスラエルの初代の王となったサウルの名前も登場しますけれど、何の説明も加えられません。
ただ「キシュはサウルを生み、サウルはヨナタン」と、子どもたちの名前として記されるだけです。
しかし同時に、28節に初めて一族の頭がエルサレムに住んだことが記されると、ここ32節でも兄弟たちが向かい合って住んだと説明がされます。
エルサレムが、イスラエル国家において重要な場所であることが示されているのだと思います。
それでもエルサレムの名前が上がるだけであり、特別な説明はありません。

その背景には、約束の地は、最初から最後まで主なる神さまの所有地であり、部族ごとに割り当てられたとはいえ、自分の所有地の財産とするのではなく、主の財産を委ねられて預かっているという考えがあります。
それでもエルサレムが割り当て地の中にあるベニヤミン族の繁栄は、ここまでのようです。
この後は、隣に割り当て地を持つユダ部族が繁栄します。
これらは、創世記の最後に父ヤコブが語った遺言が、この時代になって実現していくことになります。

むしろヨナタンなど、消えていってしまったけれど、その信仰が確かなものであった人の名前をこうして読むことができるのは大切なことだと思います。
割り当て地の中で生き、死んでいった多くのイスラエルの信仰者が、それぞれの場所で主の使命を全うできたのかが気になります。

私たちは今、エルサレムに向かい合って生きることはありませんが、主を前にして、聖書のことばと日々向かい合って、真意に生きたいと思います。
シャローム