「年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエル全軍を送った。彼らはアンモン人を打ち負かし、ラバを包囲した。しかし、ダビデはエルサレムにとどまっていた。」サムエル記 第2 11章1節 (2017新改訳)

ダビデの生涯における最大の罪をおこなう11章です。
ウリヤの妻であるバテ・シェバを奪い、ウリヤを戦場で死ぬように仕向けるのです。
ダビデは、2節でからだを洗っているバテ・シェバの美しさに心奪われて罪を犯します。
そしてその罪を隠すためにウリヤを殺すと言う罪を重ねていくのです。
恐ろしい罪ですが、その始まりはこの1節に見ることができます。

戦いを前にして、ダビデは祈っていません。これまでは祈ってきたのにです。
そして、ダビデだけがエルサレムにとどまり、戦場に行きません。これも今までにはないことです。
この戦いには勝利します。勝利できる確信もあったのでしょう。その思いがダビデの心に、謙遜さを欠き、主に信頼していくこと忘れさせたようです。

ダビデが信頼する直接の家来と全軍を送り出しながら、ダビデだけが戦場から遠い地で眠っているのです。
サウル王に追われていたときには、部下を大切にしていつもともに歩み、主に委ねていたダビデの姿とは別のものです。
それが罪の根っこです。

私たちはいつも主に信頼して、言葉にして祈らなければいけない。そうしないと謙遜さと自分の弱さを忘れてしまうから。
祈るたびに、私たちは自分の足りなさを覚え、そこに主の恵みと助けがあることを知ります。
そして安心して前に進めるのです。

この時、イスラエルの全軍がいる場所とダビデのいる場所が遠く離れていました。その距離は、そのまま主とダビデの心が遠く離れていた距離のようです。
祈るごとに私たちは主に近くなれる。
シャローム